第5戦 オートポリス
2025年5月18日(日)
予選・決勝
天候:曇り 路面:ドライ
#38 阪口晴南
予選 12番手 決勝:5位
#39 大湯都史樹
予選 19番手 決勝:10位
5月17日(土)に開幕する予定だった全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦オートポリス。ただ、フリー走行と公式予選が予定されていた17日は朝から強い風雨と霧により、走行できない状態が続いてしまった。結果的に午前の走行がキャンセルされ、天候の回復を待ったものの、午後2時30分から予定されたフリー走行も霧が晴れずキャンセルとなってしまった。土曜のオートポリスは夜まで天候が回復することはなく、サポートレースを含めて1周もレーシングカーが走ることができない一日に。タイムスケジュールは再度変更され、5月18日(日)のワンデー開催となった。
QUALIFY 公式予選
5月18日(土) 9:40〜10:20 天候:曇り 路面:ドライ ベストタイム #38 阪口晴南 1’27.670/#39 大湯都史樹 1’28.305
当初は5月17日(土)が予選、5月18日(日)が決勝レースというスケジュールだった第5戦。たび重なるスケジュール変更の結果、18日は午前9時40分から40分間の公式予選が行われることになった。通常のノックアウト方式と異なり、40分の間にセットアップの確認とタイムアタックをこなさなければならない。
この日のオートポリスは、早朝こそ霧が残ったものの午前8時前にはほぼ霧はなくなり、ややウエットパッチがあるが路面はドライ。気温18度/路面温度20度というコンディションとなった。SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGの阪口晴南と大湯都史樹は、短い走行時間のなかで少しでも上位グリッドを得るべく、コースオープンからセットアップの確認等の作業を進めていった。
ただ、この日は気温が終日低く、コンディションは難しい状況。2台はユーズドタイヤでフィーリングを確認した後、矢継ぎ早にニュータイヤを投入しアタックしていくが、「ニュータイヤを履いたときからまわりに対して劣っている感覚がありました」と阪口はあまり良いフィーリングでアタックができず。チェッカー間際のアタックもコースアウト車両が発生したことでベストタイムが抹消となり、1分27秒670というベストタイムで12番手という位置となった。そして大湯も同様に苦しい予選となっていた。
「持ち込みのセットアップが外れていて、ニュータイヤを履いてアタックすると厳しかったです。セットアップを改良していっても一時は悪い方になってしまったり、時間が足りませんでしたね」と大湯は予選を振り返った。
最後のアタックもベストタイム抹消となってしまい、結果的には1分28秒305がベストに。19番手というグリッド位置となってしまった。
RACE 決勝レース
5月18日(日) 14:42〜15:53 天候:曇り 路面:ドライ ベストタイム #38 阪口晴南 1’30.652(32L)/#39 大湯都史樹 1’30.869(13L)
公式予選終了から4時間強のインターバルで迎えた第5戦の決勝レース。直前のウォームアップでは小雨も舞い、ふたたび霧がわずかにかかるなど不安定なコンディションとなったオートポリスだが、幸い午後2時42分からの決勝レースは気温17度/路面温度20度というドライコンディションの下でスタートを切った。
予選で苦戦を強いられたSANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは、2台ともにレースまでの間にセットアップを変更。阪口はスタートを決め、オープニングラップを10番手で終えると、4周目までにひとつずつポジションを上げ7番手につけた。
一方の大湯は19番手と下位からのスタートだったこと、さらに「最近スタートに問題がある」という状況から、1周目は20番手。ただ、そこから大湯は次々とオーバーテイクを決め、ポジションを上げていくことに成功した。
雨が舞いはじめる天気予報もあり、ピットインのタイミングも難しい状況ではあったが、チームは集団の中での戦いを強いられていた大湯を11周目にピットに戻す。ピットアウト後、大湯は13周目に1分30秒869というベストタイムを記録すると、持ち込みのセットアップから改良を重ねてきた車両は好パフォーマンスを発揮。オーバーテイクが難しいと言われるオートポリスながら、さらにグイグイと順位を上げていった。
そして阪口も公式予選後のセットアップ変更が功を奏し、良好なペースでレース中盤戦を戦っていくと、他車のピットインにともない15周目には5番手、19周目には3番手までポジションを上げていった。
そんななか、20周目に4番手を走っていた#4 ザック・オサリバンがコースアウト。グラベルに停止してしまい、レースはセーフティカーランとなった。すでに阪口のためにピットインの用意をしていたチームは、この機を逃さず阪口を呼び戻した。
25周目のリスタート時、阪口は8番手につけていたが、ここからフレッシュタイヤの恩恵を活かし#7 小林可夢偉、#5 牧野任祐を相次いでオーバーテイク。その後、トップ4の集団を追っていったものの、これには届かず、阪口は5位でフィニッシュすることになった。
そして大湯も、セーフティカーラン後タイヤの消耗に苦しむライバルたちを追い抜いていった。27周目には13番手、30周目には12番手に浮上すると、36周目には11番手に。さらにファイナルラップには#20 高星明誠をかわし、10位1ポイントをもぎ取った。
公式予選では思わぬ苦戦を強いられたふたりだったが、決勝では今後に繋がるパフォーマンスをみせ、2台が入賞を果たした。チームは次大会に向けて行われる富士スピードウェイでのテストで、予選でのパフォーマンス改善を目指す。
COMMENTS ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「気温も低く、難しい公式予選になりましたね。走りづらさがあり、チーム2台ともに苦戦し取り返せないままの予選となってしまいました。ただ決勝はスタートも良く、その後のペースもとても良かったです。戦略もうまくいきましたね。とはいえ、ペースがあるからこそ戦略の幅ももてると思うので、結果的に良いレースになりました」
「レース終盤も盛り返すことができましたし、バランスも良かったので次戦以降がすごく明るい展望になるレースだったと思いますね。大湯選手もレースは速かったですし、2台揃って好転しているのは、チームとして答え合わせができているということです。次大会の富士は事前にテストもありますし、有効に使って中盤戦頑張りたいですね」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「タイム抹消があったとはいえ、公式予選では持ち込みのセットアップが悪く下位に沈んでしまいました。ただ、決勝レースに向けたセットアップ変更がうまくいき、ペース自体は良かったです。ただスタートはこのところ問題があり、集団に埋もれてしまったほか、あまり良い作戦を採ることができなかったので、難しいレースとなってしまいましたね」
「そんななか終盤追い上げることができましたし、自力でオーバーテイクすることができたので、その点はとてもポジティブだと思います。今回そういう実績を作ることができたのは良かったですね。とはいえ予選のパフォーマンスは課題です。チームとしても足りないところはあるので、課題の解決に取り組んでいきたいです」
立川祐路 監督 YUJI TACHIKAWA
「土曜は天候不良で、日曜の午前にぶっつけ本番の公式予選となりましたが、2台がやや苦戦した予選となりましたね。特に大湯選手は19番手と下位に沈む状況になってしまいました。ただ、決勝レースでは2台がともに順位を上げてくれましたし、阪口選手は展開も味方にして5位まで挽回、大湯選手もポイントを獲ってくれました」
「しかし結果的に予選順位が決勝の順位にも響くかたちになってしまったので、次戦以降は予選で前のグリッドを得られるようにしたいと思います。次戦の舞台は富士スピードウェイですが、その前に公式テストもありますし、この機会にチーム全体がしっかりとレベルアップして臨みたいと思っています。応援ありがとうございました!」